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「盛田昭夫」語録 こころの教科書

フィロソフィー

11

『「No」と言える日本』について(1989年)
〜「No」には二つの意味がある〜

私にいわせれば、『「NO」と言える日本』という書名には二つの意味が含まれている。一つはアメリカに対して「NO」という。つまり日本が主張すべきことはちゃんと主張する。もう一つは、日本に対しても「NO」という。相手の立場に立って、あえて日本への批判を引き受ける。この二つの意味があるわけです。

「ノー」と口に出すことは、自分の意思を明らかにすることです。日本人は、友人になると意見が違ってはいけないんですね。一方、アメリカ人は親しくなればなるほど、互いに意見をぶつけ合う。友情とオピニオンとは別のものなんだから、あなたのここはおかしい、私はこう思うんですよ、といい合います。

私は日本とアメリカをたえず行き来して、どちらの国のことも多少わかっている人間の一人だと思っています。アメリカに対しては、日本を理解してもらうために、日本はこう考えているんですよ、悪いのは日本だけじゃない、あなた方にも問題があるんですよという。日本の人たちにアメリカのことを説明するときには、現在の状況を改善するには日本にもやるべきことがあるんですよ、アメリカだけが悪いと叫んでいても何の改善にもなりませんよ、という。それが私の仕事だと思っています。

両国の間を少しでも緊密にし、本当に友好的な関係を築くためには、相手の考え方をこちらに、こちらの考え方を相手に伝える。難しい立場だけれど、私はあえてそういう仕事を引き受けたいと思っているのです。『「NO」といえる日本』は、日本で話をした日本国内向けの本ですから、先ほどもうしましたように、日本の責任について相当重点をおいて書いたつもりです。そのことは、アメリカ側にも日本の読者にもわかっていただけると信じています。
(Vol. 12に続く)

WAC「21世紀へ」より抜粋

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